天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
「うん……少しずつ、ね」
あいまいに微笑んでそう答え、皿のパスタをフォークで巻き取る。
あまり食欲がなかったのでさっぱり目のボンゴレ・ビアンコを選んだのだが、ニンニクの香りがやけに鼻につく。
……聡悟くんとの会話が気詰まりだから?
自分の嗅覚になんとなく違和感を覚えつつ、フォークを口に近づけたその時。
「うっ……」
突然せりあがってきた吐き気にカチャン、と手の中からフォークが落ち、思わず口元をハンカチで押さえる。
「絢美?」
「ごめん、なんでだろう。急に気持ちが悪くなって」
聡悟くんが心配そうに席を立ち、私の背中に手をあてる。そして優しくさすりながら、遠慮がちに尋ねてきた。
「まさかとは思うが……妊娠の可能性は?」
「えっ?」
「最終生理日がいつだったかわかるか?」
聡悟くんにそう聞かれ、私は動揺しながらもバッグからスケジュール帳を取り出す。
生理日は小さなシールで示してあり、先月の十日から七日間続いたのが最後。今月は予定日になっても来ておらず、あと数日もすれば二月……。
スケジュール帳を見つめたまま絶句していると、聡悟くんが私を励ますように肩にポンと手を置く。