月とカラスは程遠い
 正門にたどり着くと、上から見ていたよりも遥かにがたいのいい男達。
180㎝はある金髪。
今にも逃げ出したいくらいの圧。
怖すぎる。

「遅ぇんだよ、このカラス女」
私を見るなり
サングラスを外しながら苛立たしそうに金髪は言う。

泰陽くんは不安そうな顔で私を見る。

怖い、けど
(ひるんじゃだめだ、、、)
そう思い、
「私はカラス女じゃなくて、月島瑠南ですっ!!!」

スカートの裾を握りしめ顔を見て言う。
しかし
「聞いてねぇよ。」
一蹴されてしまう。

 「あの!!先輩は関係ないんで!!」
泰陽くんが私の前に立ち、言う。

 「用があるなら僕が、、」
しかし
朝のようにまた彼の胸ぐらがつかまれてしまう。

「お前はもうどうだっていいんだよ。下がってろ」
そう言って思い切り彼を突き飛ばす。

「泰陽くん大丈夫?!」
私は倒れた泰陽くんを起こし、
金髪を睨みつける。

すると、
「おい、カラス女、お前がついてくれば解決するんだよ。他の奴らに迷惑かけんじゃねぇよ。」
金髪は言った。

周りを見渡すと
いつの間にか遠巻きに他の生徒たちがたくさん見ていた。
ひめとりかが走ってくるのも見える。


(よし!)
私は立ち上がる。
そして、泰陽くんと二人に向けて

「ちょっと行ってくるね~!!」
手を振りながら笑顔で叫んだ。
< 10 / 12 >

この作品をシェア

pagetop