私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
閉まったドアを見ながら静かにため息をついていると、心配そうにパパが話しかけてきてくれた。
「華音。またママが先走ってごめんな……」
「ううん。私は大丈夫だよ?」
心配させないように笑ったつもりだったけど、やっぱりパパには通じないみたい。
苦笑いがバレていたようで、頭をポンポンとされた。
これは、小さい時から私が泣いている時や落ち込んでいる時によくしてくれたパパの魔法。
パパはお兄ちゃんにももちろん優しいけど、私は女の子ってこともあって特に優しいんだ。
「華音の相手はな、パパの古い友人の息子さんなんだ。パパが一番信頼してるすごく良い人だよ。そんなあいつらの子なんだから、そんな心配しすぎなくても大丈夫」
そう言ってまた頭を優しくポンポンとしてくれた。
やっぱりパパの手は魔法だね。少し冷静になれた。
「パパ、ありがとう。私、着替えてくるね」
まだ少し心配そうか顔をするパパに笑みを作り、私は着替えをしに2階に上がった。