私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
「……うわぁ、似合わなさすぎるでしょ……」
鏡の前に映るのは、引きつった顔をした自分。
その自分が身にまとっているのは着物。
白を基調とした小花柄の着物に、白に映えるピンクの帯。髪はアップにされていて、そこにオレンジの花かんざしを刺してもらってる。
メイクもちゃんと着物に合うように大人っぽくしてもらっていることもあって、いつもとは見慣れない自分に戸惑う。
それに、着物なんてなかなか着る機会もないから久しぶりに着て背筋が伸びる気分。
「お綺麗ですよ、華音様」
鏡とにらめっこする私に声をかけてくれたのは、うちのベテランお手伝いさんの都さん。
私が小さい時から身の回りのお世話をしてもらっていた、第2のお母さんみたいな存在。
都さんが今日の着付けとか全部仕上げてくれたの。
「都さん、ありがとう。でも、ちょっと似合わなさすぎない?」
「そんなことありませんよ。よくお似合いです」
そう、にっこり微笑みながら答えてくれる都さん。