ファーストソング
そういえば私両親の職業何か知らないな。
家にいたときは家政婦さんが面倒見てくれたし、姉もいたから。
体に悪いって早寝してたから親がかえって来る前に寝てたんだよね。

お母さんもお父さんも仕事してるらしいけど、週末になったら全然会えるから気にしたことなかったなぁ。

私も普通だったら、両親に憧れたりしたのかな?


「それじゃあ、またあとでね。」
そう言って、鈴さんは病室を出て行った。


これで本格的に話し相手もいなくなった。

今日お姉ちゃんが来る予定だったけど、そっちもなくなったみたいだし。


「もう。今日は曲作りしなくていっか…。」


私はそう呟いてパソコンを閉じた。
そのまま、読みかけだった小説を取り出す。

コレ。

アイツが来るようになって、全然読み進められなかったんだよね。

いい機会だし。
今のうちに呼んでしまおう。
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