ファーストソング
「私の時間は私の物だよ。」

「そ、そうだよな…。」


そう。
私の時間は夏輝にあげない。

だって私の物だから。

けど


「だから私の時間を私の為に使う。それが夏輝の曲を作るためでもね。」

「え…?」
「私が好きで夏輝の曲を作るよ。夏輝に何と言われようとそれは変わらない。だから夏輝も自分のために時間を使って。夏輝の時間は夏輝の物だから。」


夏輝の時間は夏輝のもの。

夏輝が好きで私の元へ通うのならいい。
でもそうじゃないのなら、もうここで終わりにしよう。

それでも私は曲を作るよ。

だって私の時間は私の物だから。
その事実だけは変わらない。

けど夏輝を縛る真似だけはしたくない。

夏輝にはどこにでもいける体がある。
だからこそ自由に羽ばたいて欲しい。
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