ファーストソング
3
「おー、久しぶりにしょげてるところ見た。 あの時ぶり?」
机に突っ伏している俺に慎太郎が声をかけてくる。
あの時ぶり…。
あぁそっか。 確か千冬ちゃんの病気のこと初めてしったときも慎太郎に励ましてもらったんだっけ。
慎太郎の声かけに俺は顔を上げた。
「また彼女絡みだろ? 恋人になったっていう」
「…そーだよ」
「はは、慎太郎様天才!」
「…そーだな」
「え、ガチで重症じゃん。 どしたん?」
彼女が出来たことはすぐその日に慎太郎に知らせた。
一緒になって喜んでくれたコイツは本当にいい奴だった。
だけどそんな慎太郎にも俺は千冬ちゃんの病気のことは言えていない。
言ったら不安に思っていることを全部吐き出してしまうようで言えなかった。
でも、今言わないと俺と千冬ちゃんが付き合ってたことがまるでなかったかのようになる気がして、つい言ってしまった──。
「余命…って、ガチ?」
「ガチ。 今面会謝絶中で、ずっと会えてない」
「それは、なんていうか、その…キツイ、な」
「あぁ。 キツくてしんどくてどーにかなりそう」
小さな弱音とともに俺は再び机に突っ伏す。
涙が出そうで、でも出しちゃいけない気がして必死に耐える。
机に突っ伏している俺に慎太郎が声をかけてくる。
あの時ぶり…。
あぁそっか。 確か千冬ちゃんの病気のこと初めてしったときも慎太郎に励ましてもらったんだっけ。
慎太郎の声かけに俺は顔を上げた。
「また彼女絡みだろ? 恋人になったっていう」
「…そーだよ」
「はは、慎太郎様天才!」
「…そーだな」
「え、ガチで重症じゃん。 どしたん?」
彼女が出来たことはすぐその日に慎太郎に知らせた。
一緒になって喜んでくれたコイツは本当にいい奴だった。
だけどそんな慎太郎にも俺は千冬ちゃんの病気のことは言えていない。
言ったら不安に思っていることを全部吐き出してしまうようで言えなかった。
でも、今言わないと俺と千冬ちゃんが付き合ってたことがまるでなかったかのようになる気がして、つい言ってしまった──。
「余命…って、ガチ?」
「ガチ。 今面会謝絶中で、ずっと会えてない」
「それは、なんていうか、その…キツイ、な」
「あぁ。 キツくてしんどくてどーにかなりそう」
小さな弱音とともに俺は再び机に突っ伏す。
涙が出そうで、でも出しちゃいけない気がして必死に耐える。