幼馴染 × 社長 × スパダリ

涼ちゃんの家に住むようになって、約一か月が過ぎた。
少しづつではあるが、この生活にも慣れて来た。


妹の彩は留学に向けて準備を始めている。
デザイン学校の先輩が、イタリアの学校を紹介してくれて、来週には一度イタリアに行ってくる予定だ。
皆がそれぞれ新しい生活を始めようとしている。
そんなある日、お昼休みに涼ちゃんから急に電話があった。


「萌絵、急だけど、今日の帰りに実家にいくから。」

「はい。気を付けて行ってらっしゃい。」

「萌絵も一緒に来て欲しいんだけど…」

「…そ…そうなの…」


考えてみれば、涼ちゃんのご両親にまだ結婚の挨拶はしていない。
それ以前に、涼ちゃんは私のことをご両親に伝えているのだろうか。

涼ちゃんのご両親は、小さい頃からよく知っている。
知っているだけに、何故かすごくお会いするのが恥ずかしい。

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