幼馴染 × 社長 × スパダリ
リビングから、姿が見えなくなっていたお義母さんは、何か古い箱を持って戻ってきた。
「萌絵ちゃんに、見せたいものがあるのよ…」
綺麗な箱から出てきたのは、大切そうに保管された手紙だった。
その手紙の差出人を見て驚いた。
その手紙は全て私の母の書いた手紙だ。
「よかったら、手紙を読んでみて…」
綺麗な花柄の封筒や、絵葉書、絵が描いてあるものもある。
思い出してみると、お母さんは絵を描くのが好きだった。
私が小さい頃、スケッチブックに私たち家族の絵を沢山描いていたのを思い出した。
手紙には、家族の近況報告などが書かれている。
そこには、毎回と言っていいほど、私と妹の話題が書かれていた。
私達は、こんなにも愛されて育ったのだと、この手紙からも感じた。
涙で手紙が読めなくなってくる。
「萌絵ちゃん、お母さんはあなたの幸せを、いつも願っていたわ…」