キラキラ星
更衣室から美香がジャージ姿で現れて髪も後ろで結んでいた。

エマ師範が道場の事務室の方へ連れていき、合気道とはの説明からするようだ。


俺たちも時間になったから、稽古を始める。

師範も生徒も正座して、お辞儀をしてから稽古は始まった。

大体1時間半の稽古だが、最後の30分くらいで美香が稽古場の隅でエマ師範と鈴木師範のデモンストレーションを見学。

美香の場合はOLさん達のように痴漢対策から始めるようだった。

俺たちも美香も稽古が終わり、更衣室で着替えてから俺と美香は事務室へ。


「美香さん、今日はどうでした? 合気道を少し理解できました?」


「ハイ! 凄く興味があります。

光が言ってたように背筋がピンとなる感じだし、学校も遠いので週に一度くらいしか通えないんですが…」

「じゃあ、火曜日と金曜日が痴漢対策や自己防衛的な稽古が19時からあるんだけど1週間のうち、どちらか来れる方へ通っても良いですよ。」


「そうね、やっぱり若い女性の人と一緒の方が良いと思うわ。
今、決めなくてもこのクラス表と入会説明書を良く読んで、ご家族と相談してから連絡して?」

「ハイ。そうします。ありがとうございます。」

「坂田くんが、今日は送って行くのかな?」

「はい。遠藤さんちは隣の駅ですが何があったら困るので遠藤さんがもし通うようになったら、俺が送って行きます。」

「そうしてあげてくれると安心だわ」

「じゃあ、師範。今日はありがとうございました。
遠藤さんを送って帰ります。」

「坂田君もお母さんやお婆ちゃんに帰りが遅くなる連絡をするんだよ。」

「はい。では失礼します。」

「今日はありがとうございました。とても楽しくて、タメになりました! 失礼します!」

「気をつけて帰るんだよ。」

と言って師範とエマ師範は手を振って見送ってくれた。
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