雷鳴動
ライターを擦る音がシャッターのようだった。
雷と同時に火花が散った。
タバコの先が雨に濡れる。
私達はベランダに居た。
すりガラスになっている柵越しに向かいの街灯が光っている。
私は立ち、あなたは折りたたみ椅子に座っている。
耐荷重50kgの椅子が70kgのあなたを支えていた。
雷のようだった。
あなたを一目見たときから。
タバコのようだった。
あなたと体を重ねたときから。
フィルターに近くなった火はとても苦かった。
湿ったタバコをにじり消した。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

蛾

総文字数/272

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

寝首

総文字数/495

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

無鉄砲な夜に撃たれて

総文字数/253

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop