Tear Flowes〜絶望の向こう岸〜

「わかった。好きなだけ相手をしてやる」

かかってこい、そう言わんばかりにフィオナは笑みを浮かべて挑発するように手の指を動かす。刹那、マフィアたちが一斉に銃を発砲し、フィオナはすぐに物陰に隠れる。

銃弾が頭の上を飛んでいく中、フィオナは懐から拳銃を取り出す。シオンを失ったから、フィオナはこっそり拳銃をいつも隠し持つようになっていた。弾丸も何十発も持っている。

素早く物陰から飛び出し、フィオナは迷わずに引き金を引く。拳銃から飛び出した弾丸は彼らの手足を撃ち抜いていった。辺りに赤い血が飛び散る。フィオナが撃った弾は、一つも外すことなく相手を撃ち抜いていた。

「ッ！」

冷静に、そして正確に撃っていくフィオナにマフィアたちはその目に恐れを宿し始める。それを見たマーティーが大声を上げた。

「ただの小娘だ！束になってかかれば弱い！」

マーティーがそう言い、彼らは弾がなくなった銃を投げ捨ててフィオナを殴りかかろうとする。フィオナはフウッと息を吐いた。