Tear Flowes〜絶望の向こう岸〜
「なら、もう手加減はしない。お前を殺す!!」

フィオナがそう言い、マーティーを攻撃しようと動こうとすると、マーティーが「いいな。その表情」と恍惚な顔でフィオナを見つめる。

「火がついていい感じだぞ。……もっと燃え上がれ」

そう言いマーティーが召使いを呼ぶように手を叩くと、フィオナの背後にゾロゾロと人が現れた。数え切れないほどの顔つきの悪い男性たちがフィオナをニヤニヤしながら見下ろしている。恐らく全員マフィアだろう。全員、手に銃やナイフなどの武器を持っている。

「燃え上がれ、フィオナ・カモミール。楽しいショーを俺に見せろ」

楽しそうにマーティーは言い、フィオナは「ふざけるな!」とマーティーの方に動こうとした。刹那、マフィアの男性が銃を発砲し、フィオナの足元に銃弾が撃ち込まれる。

「お前の相手は俺たちだ」

マフィアの男性たちに睨まれ、フィオナはフウッと息を吐く。息を吐いたところで彼らへの怒りや憎しみが薄れることはなく、また恐怖を感じることもない。
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