無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜

「あっ……て、手、ですね。すみません、びっくりして……」



どうやら、驚かれただけらしく一安心。



「繋いでも、いいですか？」



改めてそう聞くと、静香先輩はこくっと頷いた。

手、ほんとに小さいな……。


俺よりもふた回りくらい小さな手を、そっと握る。

ちゃんと手を繋ぐのは初めてだと思うと、少し恥ずかしくなった。


それにしても……



「……顔真っ赤ですよ？」



静香先輩の方を見ると、耳まで真っ赤になっていた。

手を繋いだだけで、こんなになるか……？



「だ、だって……好きな人と手を繋ぐなんて……ど、ドキドキします……」



真っ赤な顔のまま、恥ずかしそうにそう言う静香先輩。



……今時高校生でこんな反応する人、いないだろ。

そう思うくらい緊張している静香先輩の姿に、心臓が痛いほど高鳴った。

可愛すぎるとか思っている自分に引いてしまう。
でも、可愛いから仕方ない。