無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜
その日の部活終わり。3年生の練習が終わるのを待っている時、マネージャーと部員たちが何やら騒ぎだした。
うるさいのが嫌で、席を移動しようとした時、
「え!?静香先輩がマネージャーに!!」
ひとりの部員の大きな声に、ピクッと反応する。
もう広まってるのか……?
「それ、マジの情報!?」
「マジだよ!さっきリナ先輩から聞いたもん!」
マネージャーたちが、嬉しそうに部員たちに話している。
どうやら、静香先輩が入るのはマネージャーたちにとっても喜ばしいことらしい。
静香先輩、合宿の後半好かれまくってたもんな……。
「マジで……!?テンション上がるわ〜!!」
「部活やる理由が増えたな……!」
「俺、静香先輩にマネしてもらえるならもうサボらない」
口々に何か言っている部員たちに、いい気なんてするはずもなく、腹の中に黒いモヤのようなものがかかった。