無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜
和泉くんにとって、自慢できるような彼女になりたい……。

よし、頑張るぞっ……。



「おはようございます」


自らを奮い立たせた時、背後から声が聞こえて慌てて振り返る。

そこには、柔らかい表情をした和泉くんがいた。

び、びっくりしたっ……。



「お、おはようございます」

「驚かせましたか?」


私を見て、和泉くんがくすっと笑う。

その笑顔が綺麗で、いつまでも見ていたいと欲張りなことを思った。

この人が自分の恋人なんて……本当にまだまだ、夢みたい……。

自覚なんていつになっても持てそうにないくらい、私には身に余るほどの恋人……。

きゅっとスカートを握り、幸せを噛みしめる。



「綺麗ですね、花壇の花」



花たちを見てそう言ってくれた和泉くんに、笑顔がこぼれた。
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