そういう目で見ています
というか、今やセクハラは男性から女性へだけのものではない。
女性から男性へもありうるし、同性でも注意しなければいけないと言われているのに!

「あの……ご不快でしたら、失礼を。」
「いや?なぜか教えてほしい。」

言えない!
性的な目であなたを見てましたなんて、言えないからっ!!

「俯いてしまうのはなぜ?」

答えたくないからです!!!

「あまり俺の前で、そんな風にうつむかないでほしいんだけど」

どうしよう、きっと怒らせていたんだ。

そんな風に思ったら、ますます詩乃は顔なんて上げることはできない。

「月蔵さん……」

そんな風に呼ばないでください。
ドキドキする……。

「俺ね……」

彼の顔が後ろから、詩乃の耳元に近づく。
耳元に息がかかって、どうしようもないくらいに詩乃の鼓動が激しくなった。

低くて甘い声が、詩乃の耳をかすめる。

「うなじフェチなんだ……」
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