王宮侍女シルディーヌの受難2ー短篇-

「団員に護衛させます。団長はきっと、必ず、ご納得いただけるでしょう。いえ、この場合は、そうしなければ鉄拳が飛びます」

 瞳に決意をみなぎらせたフリードは「必ずお守りします!」と宣言する。

 フリードの勢いに面くらって、シルディーヌは「お願いします」と頭を下げていた。

 護衛など少々大袈裟にも思えるが、油断が招いた前回の轍を踏まないように、フリードから釘を刺されているとも言える。

 アルフレッドが戻るのは、今この時を入れても四日後。

 四日目の夜なのか、昼間なのか。予定通りであれば日中らしいので、それまで慎重に過ごせばいいのだ。護衛がつく以外は今まで通りにすればいい。簡単なことだ。

 そして仕事終了の時刻になり、フリードに呼ばれたシルディーヌは玄関ホールで直立不動にして待つ騎士たちに会った。

 シルディーヌよりも年下に見える子たちは騎士学校を卒業したばかりで、年上の騎士たちは一般家庭から志願してきた者たちだ。志願者は、よく言われる荒くれ者の部類である。

「すみません。今日は団員の手が空いておりませんので、新入団員の中でも腕の立つ六名が帰り道のお供をします。一同、敬礼!」

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