王宮侍女シルディーヌの受難2ー短篇-
でも、フリードはシルディーヌがいなくなれば国が亡ぶとも言っていた。ということは……?
頭の中に疑問符が飛び交い混乱しつつも、いろいろな想像したシルディーヌはゾッとして、手のひらで二の腕を擦った。
嬉しい言葉をもらったし、愛されているのは伝わってくる。でも言動は今ひとつどころか、今百個くらい理解できない。
アルフレッドの難解さは、永遠に続くようである。
「と、とんでもないわ……なにがあっても、絶対に敵の人質にならないようにしないと」
「そうっすねぇ。マジで、かな~りヤバいんで、気を付けてくださいよ」
言葉とは裏腹に、お気楽そうな口調だ。
「でもまあ、俺たち以外は『団長の女』って知らないんで、『弱み』として、さらおうとする人はいないと思いますけどね。奴らは、シルディーヌさんから情報を得ようとしてるだけ。こんなの団長が帰ったら、すぐに一掃されますよ。もう少しの辛抱っすよ」
──でも、敵が大きかったら?
あまりにも楽観的すぎて、却って不安になってしまう。本当に、アルフレッドが戻れば解決するのだろうか。