地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
可愛くないのに……って言っても聞いてくれないんだろうな…
私がぼけーっと考えていると
「……よし!できたわよ~!」
私は目の前にある鏡を見た。
「………誰?」
そこには私とは思えないほどまともな顔があった。
すごい…メイクだけでこんなに変わるんだ…
「大変だわ。これで微笑まれたら私でも惚れちゃう……」
お母さんの戯言は置いておくとして…こんなにしてもらっててあのイケメンさんには釣り合わないって…
私は自分の顔の残念さに悲しくなった。
「拓也さんにも見せてきたら?」
お父さんにも?……まあ、せっかく素敵な格好になったんだから記念に写真も撮ってもらおうかな…
私はお父さんの書斎の前に行った。
「あの…お父さん今、良いかな?」
「いいぞ。」
私は扉を開けて書斎に入った。
「お父さん。お見合いの準備ができたの。せっかくだから見せたくて…」
お父さんを見ると私のことをまじまじと見ていた。
「お父さん?」
「…会った頃の真穂にそっくりだ。綺麗になったな。真彩。」
お父さんは懐かしそうに笑った。
「…ありがとう」
あ。写真撮ってもらうんだった。
「お父さん。記念に写真撮ってくれないかな?」
私はお父さんにスマホを渡した。
「そうだね。撮ろうか。」
お父さんは私のスマホを受け取ってカメラ機能を開いた。
「さてと……」
お父さんはいろんな角度で連写し始めた。
「お、お父さん?そんなに撮らなくても…」
「スマホに写真機能があるのは真彩の晴れ姿を撮るためだけにあるんだろう?」
……何言ってるの?お父さん、写真機能は他にも利用性があるよ?