地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
お見合い
準備
と、当日になってしまった……。どうしよう!今更無理なんて言えないしぃ~。
私が一人であたふたしていると
「真彩!早く着替えるわよ~!久しぶりに腕が鳴るわ~!」
「え?え?ちょっと待って!」
「問答無用!」
私は首根っこを捕まれてお母さんの化粧部屋へと連れてこられた。
「じゃあ、早速この着物着て!」
「え。で、でも…」
私が渡された着物は薄いベージュにピンクの薔薇が描かれているものだった。
こんな綺麗で可愛い着物私なんかに似合わないよ…
「早く!時間ないんだから!隣の部屋で着替えてきなさい!」
そう言われて違う部屋に行った。
とりあえず着ようかな。似合わないって分かってくれたらもっと地味なの渡してくれると思うし……
私は着物を着てお母さんがいる部屋に戻った。
「お母さん…やっぱり似合わな─」
「きゃー!!!真彩可愛い~!!」
……え?
「お、お世辞はいいよ…」
「あら~?お母さんは嘘は言わないわよ!ほんとに可愛いわ~!メイクもしましょ!ほら!座って座って!」
そう言ってお母さんは私をメイク台の前にあるイスに座らせた。
「え?え?」
き、着替えないの?本当にこれで行くの?
お母さんは丁寧にメイクをし始めた。
「肌、綺麗で羨ましいわぁ~!これはいつも以上に可愛くなるわね!」
お母さんは鼻息を荒くして言った。