地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
「だがら、真彩も同じように好きな人と結ばれて欲しかったの。すっごく幸せなことだから…」

そう言って微笑んだお母さんは今まで見てきた笑顔の何倍も綺麗だと思った。

「今まで無理にお見合いはさせなかったんだけど……新しい恋がしたいならお見合いしてみない?」

お、お見合い!?

「わ、私みたいな地味な人が相手したら…相手の方が可哀想だよ…」

私、可愛くないし地味だし……美人なお母さんとかっこいいお父さんからなんで私みたいなのが…

「何言ってるの…」

お母さんは私の眼鏡に手を伸ばして取った。

「お母さん?」

「真彩は眼鏡外したら国宝級に可愛いんだからぁ~!」

そう言ってお母さんは抱きついてきた。

「きゃっ…」

び、びっくりしたぁ~…

「真彩!自信持ちなさい!貴方が本気で可愛くなったら千歳くんだってメロメロよぉ~!」

!?

「そ、そんなことある分けないよ!」

だって、ちーくんが好きなのはあの花宮さんだよ!?大きなくりくりな目にふわふわの髪!すれ違ったときに微かに香る石鹸の匂い!あの人に私みたいなのが敵うわけない!!…自分で言ってて悲しくなってきた。
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