地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。


『っ!』

どうやら合っているらしく、こいつは動揺した。

『……これ以上真彩に変なことで迫ってみろ。俺は容赦しない。』

そう低い声で圧を掛けて言うとあいつはびびりながら屋上を出た。

俺はまだ真彩がいるか確認するために屋上を出ると真彩が階段に座っていた。

改めてみると綺麗な顔だった。

俺がジッと見ると真彩は照れて顔を真っ赤にした。

いつまでも見ていられる。

俺は自分の気持ちを改めて知った。

その日から度々真彩に話しかけた。

少しだけ近づけた気がした。

だけど…婚約してたならはじめから意味ないだろ。

俺は悔しくていつの間にか手に爪が食い込むほど力を入れていた。


「…真彩。」

俺は一人の屋上で愛しい人の名前を口にした。

そのままボーッと空を眺めていると誰かが階段を上ってくるのが分かった。

バンッと大きな音を立てて誰かが屋上に入ってきた。

ドアの方を見るとこの前、真彩と一緒に居た女子が息切れをして立っていた。

「お前何して──」

「た、助けてっ!」

…は?何言ってるんだ?

冗談を言ってるのかと思ったが焦っているのからして何かあったのだろう。

「何があった?」

俺は女子を陰の方に座らせて聞いた。

「ま、真彩が!」

俺は気づくと女子の腕を掴んでいた。

「真彩がどうした!?」

俺も少し焦ってしまう。

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