好きな人は振り向いてくれない
「お待たせしました。みそラーメンとギョウザでございます。」
店員さんが、注文した品を運んできてくれた。
立体的に綺麗に盛り付けられたラーメンは、いい香りが漂い、とても美味しそうに見えた。
…ウマ…。
彼女が一生懸命作ってくれたラーメンは、ビックリするほど美味かった。
「お会計946円になります。」
コストも安いしラーメンも美味い。
彼女に会えるなら、もう一度足を運びたいとさえ思った。
「ありがとうございました。お帰りでーす!」
レジを担当した店員さんが、厨房にいる彼女に向かって声を発した。
「ありがとうございました!」
ニコッと笑う彼女の笑顔に、俺は一瞬にして虜になった。
17歳の春。
暖かい日差しが照りつける、とても穏やかな日の出来事だった…。