STRAY CAT Ⅱ
「黒田さんって、彼女とかいるんですか?」
「……いるように見えます?」
「見えないです。
でもかっこいいので遊んでそうですけど」
4人で夕飯を食べて、時刻は22時。
幼い肌に負担がかかると困るから、蒔がひと通り満足したあと、メイクを落とすついでに一緒にお風呂に入った。
今日はお父さんが蒔の髪を乾かしてあげている。
だから手持ち無沙汰な黒田さんに、ベランダで話に付き合ってもらうことにした。
「ああ、ワンナイトの方が楽なので」
……うん、遊んでるわ、この人。
って言っても、若気の至りみたいな感じじゃなくて、割り切ってる大人って感じではあるけど。
「別にいいんですよ、相手がいなくとも。
仕事上相手に時間を使うことも出来ないので。過去にも実際、愛想つかされてますし」
「もったいない……」
「お嬢様こそ。
若いうちにもっと遊んでおいたらよかったのに」
「………」
「婚約も、言い出したのはお嬢様で。
正直その話がなくたって、社長は今と変わりませんでしたよ」
「そう、でしょうね」
お父さんの、わたしたちへの態度を見ていたらわかる。
あの人は、ただお母さんの生き方を知らなかっただけで。ただやり方を間違えただけで、本当にわたしたちのお父さんに、なろうとしてる。