本当の君を教えて
今日のはそんなに大変なものじゃなくて良かった……



処分しといてと言われたからドキドキしてたけど、ただのテストの答案だった。



本当に良いのかな?って思ったけど私に決定権はない。



早く帰ろう……だって今日から──



「お?花川じゃないか。帰ったんじゃなかったのか?」


向かい側から声をかけてきたのは担任でもあり体育教員の片山先生。



The 爽やかって感じで沢山の生徒に慕われている。



常にスウェットを着ていて、休み時間には生徒と共にサッカーとかしてるのをよく見かける。



「こんにちは。ちょっと忘れ物をしてしまって……今帰るところです」



本当のこと言っても先生が困るだけなので言わない。



「そうか。暗くなってきたから気をつけて帰れよ」



そう言って私を通りすぎて去っていった。


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