ルミナス～双子の王女と7人の騎士団長～

｢やっぱり俺はお前を見捨てることはできねーよ。俺が騎士になったのは誰一人欠けることなく、その心の光を守ることだ。｣


｢どうして·····。｣


｢俺は·····ある人と約束したんだ。
強くなって、みんなを守ると。｣



あぁ、私この目が苦手なんだ。
諦めを知らない真っ直ぐな目。


私と彼とでは住む世界が違いすぎる。


お互いが理解し合えるはずがない。


私と彼の間に壁があるかのように風が吹き抜ける。



｢ごめん·····。さようなら！｣


踵を返して走る。


振り向くとこなく家まで走った私は、彼がその後王の命令で城に無理やり連れ帰られたことを知らなかった。


家に着いてしばらくした頃、ドアを誰かが叩く音がした。


｢ルチア様！大変だ！｣


トドおじさん…？


｢どうしたの？｣


ドアを開けると、真っ青な顔になったトドおじさんの姿があった。


｢さっきルチア様と一緒にいた兄さんが城に連行されて行ったんだ！

あの兄さんもしかして騎士団長だったのかい？

王様の命令に従わなかったとか言って処刑されると耳にしたんだ。｣



｢…っ！？｣


私は迷わず城に向かった。


だから、私と関わると不幸が起きるの…！


今度こそ私の周りで命が失われたら、もう…。


お願い…間に合って…！