ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
「ルチア様。

王国中に広まっている言い伝えが嘘だったと俺たち全員が証明します。」





「気持ちだけ受け取っておく。

いなくなったら私のことは忘れていつも通りの生活に戻って。」




私も自分で酷いと思う。

そんなことできるような人ではないと分かっているのにお願いしているんだから。




「ルチア様は…酷いです。

あなたには俺たちがすぐに忘れられる存在でも俺は……忘れられません。

それぐらいこの1ヶ月であなたの存在は大きい。」



最初から突き放すように冷たい言葉を放っているのに……。


それでも私を引き止めるの?



「私の最後のお願いだから…。」




「ずるいです……。」




「ごめんね。」



こんなにも私を引き止めてくれているのに、嘘をついているんだから。



元の生活ではなく、敵国へ死にに行く。



これは絶対に言えない。
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