フォンダンショコラな恋人
一方の陽平は下だけ着ている状態だ。
……だったはずなのだが、後ろから抱き枕状態できゅうっと翠咲を抱きしめてくる陽平はいつの間にか、しっかり準備万端のようだ。
温かいものが、翠咲の太腿の間に差入れられている。

「え?陽平さん、明るいよ……」
「うん。明るい中、僕の腕の中で目が覚めたばかりで、少しだけぼうっとしながら、でもそんな風に赤くなっちゃってる翠咲が可愛いんだよね。休みの日に恋人と朝布団の中でイチャイチャするって、贅沢で良くないか?」

「う……」
言われてみれば、きっとそうなのだろうけれど、翠咲が今までお付き合いした人で、そんな甘やかしい人はいなかった。

「最初は朝の生理現象だったんだけど、なんだか翠咲が可愛くて無理」
陽平の方こそいつものようなきりきりとした話し方ではなくて、とろっとした半分寝ぼけているような甘えるような、そんな声だ。
緩く太腿の間を行き来していたソレは、つるりと中に入ってしまいそうだった。

「ふ……ぁん……」
「……ふ」
ふふっと翠咲の耳元で陽平の笑い声が聞こえる。

「な、なんですか?」
「あなたのそういうところが嫌いなのよ。だったか?」
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