フォンダンショコラな恋人
電話の向こうの母がやけに楽しそうな声になり、向こうで家族に確認してくれている声が受話器から漏れてきていた。
「晃希?」
陽平が首を傾げている。
「弟なの」
「弟さんいるのか」
「うん。私は大学生の時に家を出てしまっているし、年が離れているからあまり接点はないんだけどね。今、高校生くらいかなあ……」
「ふうん」
翠咲の年を考えると10歳ほども離れている。
確かにそれくらい離れていたら、接点はないのかもしれなかった。
翠咲は携帯をスピーカーにする。
そこへ母の声が聞こえてきた。
『翠咲? 晃希は部活があるから無理だけれど、お父さんと私はいるわよ。どなたかと一緒?』
横にいた陽平が声を出す。
「こんにちは」
『あらっ⁉︎ ご一緒なの? まあ! びっくりしたわ』
「突然すみません。私、翠咲さんと交際をさせて頂いております、倉橋陽平と申します」
もう名乗り方が完全に業務で、翠咲には
『突然すみません。私、翠咲さんの代理人をしております、弁護士の倉橋と申します』
と聞こえてしまって、おかしくて陽平の横で声が漏れないように笑い転げている翠咲なのだ。
「晃希?」
陽平が首を傾げている。
「弟なの」
「弟さんいるのか」
「うん。私は大学生の時に家を出てしまっているし、年が離れているからあまり接点はないんだけどね。今、高校生くらいかなあ……」
「ふうん」
翠咲の年を考えると10歳ほども離れている。
確かにそれくらい離れていたら、接点はないのかもしれなかった。
翠咲は携帯をスピーカーにする。
そこへ母の声が聞こえてきた。
『翠咲? 晃希は部活があるから無理だけれど、お父さんと私はいるわよ。どなたかと一緒?』
横にいた陽平が声を出す。
「こんにちは」
『あらっ⁉︎ ご一緒なの? まあ! びっくりしたわ』
「突然すみません。私、翠咲さんと交際をさせて頂いております、倉橋陽平と申します」
もう名乗り方が完全に業務で、翠咲には
『突然すみません。私、翠咲さんの代理人をしております、弁護士の倉橋と申します』
と聞こえてしまって、おかしくて陽平の横で声が漏れないように笑い転げている翠咲なのだ。