フォンダンショコラな恋人
みんなでリビングに向かうことにする。
リビングには家族で海外旅行に行った時の写真や、翠咲が学生の時の部活の写真なども飾られているのだ。
陽平はそれを物珍しげに見ていた。

「翠咲……チアとかしていたんだ」
「うん。高校の時だけね」
「可愛い……」

ぽそっと陽平が言うのに、母が嬉しそうに
「倉橋さん、他にも翠咲の写真ならあるわよ。見る?」
そう聞かれて、「見たいです!」と即答する陽平だ。

「うわー、恥ずかしいじゃん」
「この前ほら、二人で来ると言っていたから、お父さんと整理していたのよ、ね?」
父もうん、と頷いた。

幼稚園に入る前くらいの庭でビニールプールで遊んでいるものや、小学校の運動会での笑顔や中学校の入学式の制服姿などがあり、写真によっては一言添えてあったりもした。

「これはどこ?」
「家族で北海道に行った時のかなあ……」
「いや、翠咲それは長野だろう」
「あ、本当だ馬に乗っているのもあるから、そうだね」

「全然怖がったりしていないのが君らしい」
「怖くないよ。おとなしいもん」

とても微笑ましい気持ちでアルバムを見ていたら、母が紅茶を入れて持ってきてくれた。先程、陽平が持参したお菓子も一緒だ。
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