【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。
私くらいは、いつでも気軽に一緒に居られるように彼の『親友ごっこ』に付き合ってあげようと思ったんだ。
……できることなら、ずっと“友達”のままでいたかったんだけど。
「5年も経っていたら、流石に瑠衣にも本命ができて、結婚していたと思ったんだけどね」
「月乃こそ、男を紹介して貰ったり、合コンにも行ったがずっと彼氏がいないんだろ?」
「えっ、聞いてたの!?お客様の会話を盗み聞きするなんてサイテーっ!」
「ははは、月乃は俺にとってお客様じゃないから良いんだよ」
「何も良くない……どうせあんたは美女を沢山侍らせてるんだろうけど、私はおひとり様でも充実してるからいいの!」
運ばれてきた焼酎をぐっと煽って負け惜しみを吐き捨てれば、枝豆を口に放り込んだ瑠衣は苦笑する。
「月乃の中の俺のイメージ酷くね?言っとくけど、繁忙期の飲食店に休みはないんだぞ」
「……あ、それもそうか。お疲れ様です」