【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。
「どーも。ま、もうすぐ死ぬ程忙しい時期が終わって一段落できるけどな。……月乃って何の仕事してたっけ?もし休日が被ったら、久しぶりに俺の家に来るか?」
何でもないことのようにさらっと訊かれて、戸惑った。
「へ?私は普通のOLで、瑠衣ほど忙しくはないから……大丈夫だと思う」
「じゃあ、俺の予定に合わせてくれたらいけるか」
いやいや、だっていくら元『親友』だからって、久しぶりに再会したばかりでいきなり二人で会うなんて。
学生の頃はよかったかもしれないけど、今はお互い大人なんだよ。それとも、私は親友だからなんとも思われてないのか。
誘いに乗るべきか断るべきか悩んでいる私を、瑠衣がじっと見つめている。
薄暗い店内の小さな灯りが、彼の茶髪を照らす。僅かに艶っぽい色を帯びた瞳に、ドキッと胸が高鳴った。
「そこまで驚かなくても、家に来るのは初めてじゃないだろ」
「そ、それはそうだけど……」