【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。
そこから近況の報告や他愛のないやり取りがしばらく続き、週末に飲みに誘われた。とある居酒屋で、久しぶりに二人で向かい合ってお酒を飲んでいる。
「あの時さ、ただの大学時代の友達だって説明してくれたらいいのに……」
「まだ言ってるのか? それに、友達じゃなくて親友だろ?」
「あー、はいはい。それじゃ親友でいいよ」
「なんだよ、冷たいな」
出汁が染みこんだ玉子焼きを箸で切りながら、改めて先日の文句を言うと、ジョッキに入ったビールを豪快に飲んでいる瑠衣の目が細くなる。
「友達って言ってもよかったけど、単純に面白そうだから敢えて答えなかった」
「余計に悪いよ!どうしてそうやってややこしくしようとするのかなぁ。私に悪いと思わないわけ?」