(仮)愛人契約はじめました



 唯由の心配は杞憂に終わりそうだった。

 人数が多かったせいもあり、蓮太郎も唯由も王様も下僕(?)も当たらず、黙々と食べたり呑んだりしていた。

 最初は盛り上がっていた王様ゲームだったが。

 みんなそのうち、また話出し、クジは引くものの、話の合間にやる感じで適当になっていった。

 最後の最後で、蓮太郎が王様を引き、唯由が下僕になったが、ちょうどそこで閉店になってしまった。

 何人かは連絡先を交わし合い、解散になる。

「唯由ー、お疲れっ。
 帰れる?」

「大丈夫~。
 秋海(あきみ)、帰れる?」

「楽勝~」
と秋海は駅に向かい歩いていく。

 楽勝、どういう意味で楽勝なんだろうな。

 酔ってないから楽勝?

 まだ電車かバスがあるから楽勝?
と考えながら、他の友人やコンパの人にも挨拶し、唯由は歩き出した。

 家が近かったからだ。
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