辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する
サリーシャは礼服に身を包んだフィリップ殿下と豪華なドレスに身を包んだエレナに視線を向けた。フィリップ殿下はエレナを片手で抱き寄せ、優しい眼差しを向けている。エレナは緊張と興奮からか、頬を紅潮させ、目をキラキラとさせていた。
幸せを絵に描いたような光景。
それを眺めながら、さも微笑ましいものを見ているかのように口の端を持ち上げる。
──大丈夫よ、わたくしはうまくやれているわ。
心の中で、自分にそう言い聞かせた。
フィリップ殿下がエレナ様の手をとり、その手を重ねたまま高く上にあげた。
「聞け。俺は我が未来の妃にエレナ=マグリットを選んだ!」
その声に応えるかのように、広間のあちらこちらからお祝いの声と拍手が湧き起こる。
「フィリップ殿下、エレナ様。おめでとうございます」
「タイタリア、万歳!」
「フィリップ殿下。お喜び申し上げます」
幸せを絵に描いたような光景。
それを眺めながら、さも微笑ましいものを見ているかのように口の端を持ち上げる。
──大丈夫よ、わたくしはうまくやれているわ。
心の中で、自分にそう言い聞かせた。
フィリップ殿下がエレナ様の手をとり、その手を重ねたまま高く上にあげた。
「聞け。俺は我が未来の妃にエレナ=マグリットを選んだ!」
その声に応えるかのように、広間のあちらこちらからお祝いの声と拍手が湧き起こる。
「フィリップ殿下、エレナ様。おめでとうございます」
「タイタリア、万歳!」
「フィリップ殿下。お喜び申し上げます」