辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する
ブラウナー侯爵がフィリップ殿下から受け取って持ってきた親書には、襲撃事件はやはりダカール国が疑わしいこと、国境付近のアハマスではいつでも対応できるように準備を始めること、全権はセシリオに任せることが書かれていた。ブラウナー侯爵家にとって、軍需産業は最大の収入源だ。ここぞとばかりに鼻息荒く、次々と新兵器の紹介をしていた。タイタリア王国がこの親書をブラウナー侯爵に託したのも、兵器を確保するための準備をスムーズに進めさせるためだろう。
「あの……、争いを回避するということは出来ないのでしょうか?」
会話の途中で、サリーシャはおずおずとそう切り出した。それを聞いたブラウナー侯爵は不愉快感を隠さない様子で、じろりとサリーシャを見据えた。
「フィリップ殿下の婚約披露パーティーでエレナ嬢が襲われたのですぞ? こんな仕打ちをされて黙っておくなど、タイタリア王国の威信にかかわる。我が国はなにをされても抵抗できない腰抜けだと知らしめるようなものだ。これだから、何もわかっていない素人は──」
「──余計なことを申し上げました。申し訳ありません」
すごい剣幕で捲し立てるブラウナー侯爵に睨まれ、サリーシャは小さな声で謝罪すると顔を俯かせた。
「あの……、争いを回避するということは出来ないのでしょうか?」
会話の途中で、サリーシャはおずおずとそう切り出した。それを聞いたブラウナー侯爵は不愉快感を隠さない様子で、じろりとサリーシャを見据えた。
「フィリップ殿下の婚約披露パーティーでエレナ嬢が襲われたのですぞ? こんな仕打ちをされて黙っておくなど、タイタリア王国の威信にかかわる。我が国はなにをされても抵抗できない腰抜けだと知らしめるようなものだ。これだから、何もわかっていない素人は──」
「──余計なことを申し上げました。申し訳ありません」
すごい剣幕で捲し立てるブラウナー侯爵に睨まれ、サリーシャは小さな声で謝罪すると顔を俯かせた。