辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する
サリーシャにはよく分からなかった。
つい先日、デオに乗って出掛けたときに、ダカール国と戦争になるのではと心配するサリーシャに、セシリオは『戦争にはならない』と言った。安心しろと何回も言い聞かせて抱きしめてくれた。それなのに、今の会話やフィリップ殿下からの親書の流れでは、完全にダカール国と開戦が近いような方向に話が進んでいる。
開戦すれば、アハマスの兵士達はもちろんのこと、総指揮官となるセシリオが危険に晒される。そんなことにはなって欲しくなくてつい口を挟んでしまったが、ブラウナー侯爵の不興を買ってしまったようだ。
「争いはないに越したことはない。サリーシャの言い分はもっともだ」
俯くサリーシャを擁護するように、セシリオが口を開いた。ブラウナー侯爵の片眉がピクリと動く。セシリオはそんなブラウナー侯爵を見つめて、言葉を続けた。
「しかし、万が一に備えることも重要です。これらの商品は購入の方向で、後ほど話を進めましょう」
それを聞いた途端、ブラウナー侯爵は不機嫌そうにしていた表情を綻ばせた。
「いや、わたしも争いはないに越したことはないと重々承知ですよ。しかし、アハマス卿の言われるとおり、万が一にもあちらから攻めてこないとも限らない。それに、これは国の威信に関わるので回避不可能です。さすがアハマス卿、話が分かっている。賢明な選択だ。この話は後ほど進めましょう」
つい先日、デオに乗って出掛けたときに、ダカール国と戦争になるのではと心配するサリーシャに、セシリオは『戦争にはならない』と言った。安心しろと何回も言い聞かせて抱きしめてくれた。それなのに、今の会話やフィリップ殿下からの親書の流れでは、完全にダカール国と開戦が近いような方向に話が進んでいる。
開戦すれば、アハマスの兵士達はもちろんのこと、総指揮官となるセシリオが危険に晒される。そんなことにはなって欲しくなくてつい口を挟んでしまったが、ブラウナー侯爵の不興を買ってしまったようだ。
「争いはないに越したことはない。サリーシャの言い分はもっともだ」
俯くサリーシャを擁護するように、セシリオが口を開いた。ブラウナー侯爵の片眉がピクリと動く。セシリオはそんなブラウナー侯爵を見つめて、言葉を続けた。
「しかし、万が一に備えることも重要です。これらの商品は購入の方向で、後ほど話を進めましょう」
それを聞いた途端、ブラウナー侯爵は不機嫌そうにしていた表情を綻ばせた。
「いや、わたしも争いはないに越したことはないと重々承知ですよ。しかし、アハマス卿の言われるとおり、万が一にもあちらから攻めてこないとも限らない。それに、これは国の威信に関わるので回避不可能です。さすがアハマス卿、話が分かっている。賢明な選択だ。この話は後ほど進めましょう」