政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
 それからふたりで朝食を食べて、彼を送り出した後はいつものように家事に取りかかったものの、ずっとスマホを手放せないでいる。

 きっと瑠璃の移植手術が終わったら、すぐに伯母が連絡をくれるはず。

 成功すると信じてはいるけれど、それでもやっぱり不安は残る。

 気になってなかなか進まず、掃除や洗濯を終えて昼食の準備に取りかかる頃には十三時になっていた。

 なにを食べようかと冷蔵庫のドアを開けた時、スマホが鳴った。

 急いでドアを閉めて液晶画面を見ると国際電話だった。早く脈打つ心臓の鼓動を必死に抑えながら電話に出る。

「もしもし、伯母さん? 瑠璃は……?」

『大丈夫、無事に成功したわよ。よかったね、千波ちゃん!』

 涙声で話す伯母の言葉を聞き、安心からか全身の力が抜けていく。

「よかった……っ」

 さっきさんざん泣いたはずなのに、一気に涙が溢れ出す。

「伯母さん、本当にありがとうございました」

『いいえ、私はなにもしていないわ。つらい治療を続けてきた瑠璃ちゃんと、家族として支えてきた千波ちゃん、ふたりとも本当によく頑張ったわね』
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