政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
 ふたりからのプレゼントは、瑠璃が帰国してから改めて買いに行こうと約束をした。

 買い物が終わった頃にはお昼近くになっていて、軽く食べてから出ようということになった。

 ふたりで飲食店街を見て回るものの、時間的にもどこも行列ができている。航君は案内板の前で足を止めた。

「思ったより混んでいるな。上の階のフードコートに行ってみようか?」

「いいんですか?」

 こうした商業施設の飲食店もそうだけど、フードコートで航君が食事する姿が想像できない。そもそも彼は行ったことがあるのだろうか。

 そんな疑問が浮かんで聞いた私を見て、航君は顔をしかめた。

「千波が俺にどんなイメージを抱いているのかわからないけど、学生時代はよくこういうところに来ていたし、ファミレスやファストフード店にも入ったことがある」

「そうなんですか?」

 意外だ。だって航君は庵野グループの御曹司だもの。食事はプロポーズされたレストランのような、高級店しか使用しないと思っていた。

「それに電車やバスにも乗ったことはあるからな。そこらへんの世間知らずなお坊ちゃまだと思わないでくれ」

 どこか拗ねた物言いに目を瞬かせてしまう。だけどその姿がたまらなく可愛くて思わず笑ってしまった。
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