政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
 すると航君は不機嫌になる。

「どうして笑う?」

「すみません、つい……」

 可愛くてという言葉は必死に飲み込んだ。年上の航君にそんなことを言ったら、ますます不機嫌になりそうだ。

「つい、なんだよ」

「なんでもありません」

「そこまで言われると気になるんだが」

「本当になんでもありませんよ」

 そんなやり取りを聞かれていたのか、隣で同じように案内板を見ていた若い女性ふたり組が小声で「可愛いカップル」「羨ましい」と言っているのが耳に入り、照れくさくなる。

 でもそっか、私と航君はちゃんと恋人同士に見られているんだ。

 そう思うと嬉しくて顔がニヤけそうになる。

「じゃあフードコートに行きましょう。私、ここのタコ焼きが食べたいです」

 案内板に書かれている店名を指差せば、航君は意外そうに目を見開いた。
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