政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
「好きなのか?」

「はい。友達と遊びに行った帰りによくお土産に持ち帰って家族で食べていました」

 私も好きだけど、とくに瑠璃が大好きだったんだよね。家の近くにはなくて、なかなか出来立てを食べに行けないって嘆いていたっけ。

 瑠璃が帰ってきたら、ふたりで食べに行きたいな。

「じゃあたこ焼きを食べて出ようか」

「そうしましょう」

 ふたりで笑い合い、エスカレーターがあるほうへと向かう。

「これからも、もっと千波のことを教えてほしい」

「私のことですか?」

「あぁ。千波のことなら、どんなことでも知りたいんだ」

 本当に私、こんなに幸せでいいのかな? 瑠璃を助けてもらえて、その恩人である航君を好きになり、彼もまた私を好きになってくれた。

 さらに航君はたくさんの幸せを私に与えてくれている。それなのに私はなにひとつ彼に返すことができていない。

「航君」

「ん?」

 でも私にも彼にできることがある。

「私ひとりの力じゃどうにもなりませんけど、でも授かることができたら大切にお腹の中で育てて、元気な赤ちゃんを産みますね」

「え? どうしたんだ? 急に」

 足を止めて困惑する航君に続ける。
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