政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
 呆れながらも俺の顔から離れた写真を見る。たしかに祖父の言う通り、誰が見ても可愛いと思う女性だと思うけど、なんだか見覚えのある顔に首を捻る。

 どこかで会ったことがある? いや、会ったことがあるなら大抵の人は記憶に残っている。じゃあ彼女とはどこで会ったんだ?

「なんだ航、あまりの可愛さに目が釘付けになったようだな。そうだろう、そうだろう。優しくて笑顔が素敵で家族思いの、とてもいい子だと報告を受けている。ぜひ千波ちゃんには我が庵野家に嫁に来てほしい」

 うんうんと頷きながら言った祖父の話を聞いて思わず立ち上がった。

「じいちゃん、この子の名前は!?」

 聞き間違いじゃなければさっき、〝千波ちゃん〟って言ったよな? まさかこの子は俺が長年探し続けてきた初恋の子なのだろうか。

 はやる気持ちを抑えて聞いた俺にたじろいながら、祖父は首を縦に振った。

「そうだが……どうしたんだ? 急に」

 じゃあこの子があの千波なのか? どことなく面影があるけど、もしかしたら名前が同じだけで違うかもしれない。
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