政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
「そうだな、じゃあ実家へはふたりで行こう」

 俺がそう言うと、千波は顔いっぱいに嬉しさを表した。

「はい!」

 それに両親が千波を傷つけないよう、俺がしっかりと守ればいい。千波の笑顔は絶対に俺が守ってみせる。目の前で嬉しそうに千波を見て心に誓った。


 そして迎えた土曜日。

 最初は俺たちに会うことを拒んだ両親だが、祖父にも力になってもらいどうにか会う約束を取りつけることができた。

 朝からずっと落ち着かず、何度も身だしなみの確認をしてくる千波が可愛いなと思いつつ、少しでも彼女の不安を取り除けるように「大丈夫だよ」と繰り返し伝えた。

 約束の時間は十時。五分前には到着すると、家政婦と祖父が出迎えてくれた。

「千波さん、久しぶりだな。航とは仲良くやっているかい?」

「ご無沙汰しております。……はい」

 少しだけ照れくさそうに話す千波に伝染して、俺まで気恥ずかしくなる。

「ハハハッ。仲が良くてなにより! 航たちを見たら、あいつらもさすがにバカな行動に出ることもないだろう。……千波さん、よく来てくれた。事情を知っても息子どもに会いに来てくれて感謝する」

 深々と頭を下げた祖父に、千波は慌て出す。
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