政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
「走ったら危ないじゃないか。どうするんだ、転んだりでもしたら」

「ごめんなさい、瑠璃を見たらつい……」

 そんな私たちを見て伯母はクスクスと笑いながら瑠璃とともに近づいてくる。そして瑠璃はというと、航君を見て目を輝かせた。

「うわぁ、本当にお義兄さんイケメンでびっくりしちゃいました。初めまして、妹の瑠璃です」

 伯母が私たちの前で車椅子を止めると、瑠璃はしっかりと自己紹介した。そんな瑠璃と視線を合わせるように航君は膝を折った。

「初めまして、瑠璃ちゃん。これまでよく頑張ったね」

「ありがとうございます。すべてお義兄さんのおかげです。私に生きる希望を与えてくださり、本当にありがとうございました」

 涙ぐみながらお礼を言う瑠璃に、私はますます涙が止まらなくなる。

「これからは元気に好きなことをしてね。それと家族として俺とも仲良くしてほしい」

「……はい! もちろんです」

 元気に返事をした瑠璃に伯母も涙ぐむ。

「庵野さん、この度は本当にありがとうございました。あなたは瑠璃の命の恩人です」

「いいえ、そんなことありません。私はただ家族として当然のことをしたまでです」

 謙虚な航君に伯母は深々と頭を下げた。
< 185 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop