政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
「瑠璃、残念だけど赤ちゃん用品を一緒に買いにいけそうにないよ」

「えぇっ!? もうそんなに買っちゃったの?」

「買っちゃったんじゃなくて、買われちゃったの。客間はもうベビーグッズでいっぱい」

 私の言いたいことが理解できたのか、瑠璃は「あー、なるほど」と言葉を濁した。

「伯父さんたちでさえあんなに浮かれているんだもの、そりゃ向こうのご両親はもっとだよね。お義兄さんはどう?」

「航君は妊娠中や出産時の本や育児書を買い漁って、毎日勉強している」

「アハハッ! なんか真面目なお義兄さんらしいね」

 瑠璃は笑うけど私は心配でたまらない。もちろん立ち合い出産してくれて、育児にも積極的なのは嬉しいことだけど、仕事も大変そうなのに……。

「航君、無理していないかな?」

 不安を漏らした私に瑠璃はすぐに答えた。

「無理していないと思うよ。だって好きな人のためなら、全然つらいと思わないし!」

 意味深なことを言う瑠璃にドキッとなる。

 もしかして瑠璃も好きな人がいて、その人のためになにかしてあげたいって思っているのかな。なんてことを勘ぐってしまう。

 その相手が佑志君ならこれ以上嬉しいことはないけど……。
< 213 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop