政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
実はまだ瑠璃には真実を告げていなかった。でもどう思うって聞くってことは、もしかして知ってしまった?

 神屋敷さんの事件は大きく報道され、どこで嗅ぎつけたのか一部の週刊誌には父のことまで書かれていた。

 マイナーな雑誌だったし、言わなければ瑠璃の目に触れることはないと思っていたけど、考えが甘かったのかもしれない。

 だけど下手に自分からはなにも言うことができず、瑠璃の出方を待つ。

「どんな事情があれ、私とお姉ちゃんを残してどっかに行っちゃったお父さんに事を恨んでいる?」

「そんなわけないじゃない。私がお父さんを恨むことは絶対にないよ」

 すぐに否定すると瑠璃は表情を和らげた。

「そうだよね、よかった。……私もお父さんのことを恨んではいないよ。きっと私とお姉ちゃんには言えない事情があったんだと思うから」

「……うん、そうだね」

 そろそろ瑠璃にも、事実を告げてもいいのかもしれない。すっかり元気になり、父のことも恨んでいないと言う。今の瑠璃なら事実を受け入れられるだろう。

 今度、航君がいる時に改めて話そうと心に決めた。
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