政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
 腕を組んでゆっくりと歩を進める私と父に、「千波ちゃんおめでとう」「苦労した分、幸せになるんだよ」といった祝福の声から、「父ちゃん、もう逃げんなよ」のような父を責める声も聞かれ、父は苦笑いを浮かべた。

 そして私たちの先には黒のタキシードを着たカッコいい航君がいて、胸がギュッと締め付けられる。

 航君の前で足を止めると、父は私の手を取って彼に頭を下げた。

「航君、どうか娘のことをよろしくお願いします」

「……はい、なにがあっても千波さんを守っていきます」

 力強く答えた航君は私の手を取り、優しく微笑んだ。

 そして神父の前に並んで立つと、こそっと耳打ちしてきた。

「サプライズは成功したか?」

「はい」

 すごくびっくりした。

「最高のサプライズでした」

 父とこうして会わせてくれたのだから。それに父の仕事に関しても力になってくれたんだもの、ますます航君には頭が上がらないよ。

 神父が誓いの言葉を述べる中、航君はそっと私の手を握った。

「ドレス似合っているよ。すごく綺麗だ」

「……ありがとうございます」

 なんの前触れもなく褒められて恥ずかしくなる。
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