政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
「そんなに強く擦ったら、赤くなるぞ」
「……庵野さん」
いつの間に来たのか、彼は私の手を離してベッドに横たわる瑠璃を見つめた。
そうだった、庵野さんは心配して病院までついてきてくれたんだ。でも説明は家族の身と言われ、彼には待合室のロビーで待ってもらっていたのをすっかり忘れていた。
「あ、すみません。病院まで付き合わせてしまって。妹は、その……」
すぐに医師から受けた説明を伝えようとしたものの、それは口にするだけでまた泣きそうになるほどつらく、続かなくなる。
すると庵野さんは真剣な瞳で私を見つめた。
「妹さんの話ならさっき、如月さんから聞いた」
「そう、だったんですね」
よかった、伯父が話してくれていて。私ではうまく伝えられないもの。
「キミが俺と結婚して子供を産んでくれるなら、俺はキミが抱えている借金も妹さんの医療費もすべて責任を持って請け負うつもりだ。移植をするならアメリカが一番いいだろう。受け入れ先を探して妹さんの状態が安定次第、すぐに渡航させよう」
「え、ちょ、ちょっと待ってください。海外で移植となると多額の医療費が必要になるんです。さすがにそこまでしてもらうわけにはいきません」
自分でもどれくらい費用がかかるのか調べたけど、とんでもない金額だった。それを出してもらうことなどできないよ。
その思いで言った私に対し、庵野さんは厳しい口調で続けた。
「……庵野さん」
いつの間に来たのか、彼は私の手を離してベッドに横たわる瑠璃を見つめた。
そうだった、庵野さんは心配して病院までついてきてくれたんだ。でも説明は家族の身と言われ、彼には待合室のロビーで待ってもらっていたのをすっかり忘れていた。
「あ、すみません。病院まで付き合わせてしまって。妹は、その……」
すぐに医師から受けた説明を伝えようとしたものの、それは口にするだけでまた泣きそうになるほどつらく、続かなくなる。
すると庵野さんは真剣な瞳で私を見つめた。
「妹さんの話ならさっき、如月さんから聞いた」
「そう、だったんですね」
よかった、伯父が話してくれていて。私ではうまく伝えられないもの。
「キミが俺と結婚して子供を産んでくれるなら、俺はキミが抱えている借金も妹さんの医療費もすべて責任を持って請け負うつもりだ。移植をするならアメリカが一番いいだろう。受け入れ先を探して妹さんの状態が安定次第、すぐに渡航させよう」
「え、ちょ、ちょっと待ってください。海外で移植となると多額の医療費が必要になるんです。さすがにそこまでしてもらうわけにはいきません」
自分でもどれくらい費用がかかるのか調べたけど、とんでもない金額だった。それを出してもらうことなどできないよ。
その思いで言った私に対し、庵野さんは厳しい口調で続けた。