政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
 次の日、航君が迎えに来るのは午後だというのに、私は朝早くに起きてしまった。

「どうしよう、全然眠れなかった」

 今日、航君のご両親に会うことに対する緊張はもちろん、昨日の彼の言葉が気になって仕方がなかった。

 ゆっくりと起き上がってカーテンを開けると、眩しい朝日に目を細める。

 航君はどんな気持ちで私に、ご両親になにを聞かれても答えなくていいって言ったんだろう。

 やっぱり昨日の航君のように、うまく立ち振る舞えないと思われているから?

「そう、なんだろうな」

 それしか理由がないもの。だったら少しでも挽回しなければ。早く目が覚めてよかった。もう一度今日着ていく服を考えて、メイクや髪も少しでもいい印象を持ってもらえるように準備をしよう。

 それから軽く朝食を済ませ、さっそく準備に取りかかった。


 時間はたっぷりあったはずなのに、気づけば航君が迎えに来る三十分前になっていた。

「嘘、もうこんな時間?」

 急いで鏡の前で最終チェックと戸締りの確認をする。そして十分前には家を出たというのに、外にはすでに見覚えのある車が停車していた。

 急いで駆け寄る途中で私に気づいたのか、航君が運転席から降りてきた。

「すみません、お待たせしてしまい」

「俺も今来たところだから大丈夫」

 優しい言葉とともに彼は助手席のドアを開けてくれた。
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